団体で６年ぶりにインターハイ出場を決めた山形西高校なぎなた部。撮影に伺ったのは、開催地の北海道へ出発する前日だった。大会直前、余計な緊張を与えてしまわないか―。それは全くの杞憂(きゆう)で、彼女たちはひたすら明るく、そしてりりしかった。

　次に会ったのは、夏休みが明けた初日だった。３年生が参加する最後のミーティングが行われていた。負けた悔しさや引退の寂しさ。そうした気持ちは既に整理されていたのだろう。淡々と、指導者と保護者への感謝を口にした。特に、自分たちを支えてくれた後輩への感謝は尽きることがなかった。そして後輩たちは「春、夏と２度も全国大会に連れて行ってもらえた。この経験を生かし、自分たちも強くなりたい」と誓った。

　わずか一握りの勝者と多数の敗者を残し全国大会は終わった。しかし記録には残らない経験と無数の思いが受け継がれていく。次の進路を見据える彼女たちは、やっぱりりりしく、そして明るかった。

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