2025.08.30
となりの仕事人
株式会社ワイム 梅津康志さんの場合

火花が散る溶接の現場で、リーダーである彼が目を光らせている。「安全第一」「一度やったミスは繰り返さない」。ここは、配電盤や分電盤をフルオーダーメードで製造し、東京都庁など日本を代表する建物にも納品する工場。鉄の板を切断し、200近いパーツを溶接する板金工程は、一瞬の気の緩みが事故につながる。自らも見本となるべく背筋を伸ばし、難しい仕事から逃げるなと若手を見守る。
そんな工場も、自動化への改革の真っ最中。彼は、効率化を推し進めるため、現場からアイデアを出すことを自らの使命と考えている。理由を尋ねると、その表情がふっと和らいだ。「結局、自分が早く帰りたいからですよ」。仕事が終われば、3人の子どもが待つ家に帰る一人の父親なのだ。「定時で帰って、会社が儲かるのが一番ですよね」。
顧客が求める「一点もの」をつくる誇り。それをつくり出せる後輩の育成。会社の競争力を高めるという使命。そして、家族と過ごすかけがえのない時間。その全てを諦めないのが、彼の世代の「ものづくり」だ。仕事も、人生も、妥協しない。静かな闘志が、今日も現場の火花と共にきらめいている。

株式会社ワイム
板金・塗装グループ 板金担当リーダー
梅津康志さんの場合
(長井市出身)
板金・塗装グループ 板金担当リーダー
梅津康志さんの場合
(長井市出身)

■地域貢献活動にも力
▶創業より60年余り、山形で誕生し成長してきた企業として、地域貢献活動にも力を注いでいます。一つには、Jリーグのモンテディオ山形とスポンサー契約を結び、継続した支援を行っています。また、若い世代にモノづくりの魅力を伝える活動として、近隣の高校生の職業体験やインターンシップ等の受け入れも行っています。
