配属された新人は先輩から大切なお客さまを引き継ぐ。そのバトンには、長年築かれた信頼の「重み」が詰まっている。入社４年目。知識も経験も、まだ先輩たちの足元にも及ばない。ならば自分にできることは何か。彼が出した答えは「店舗で一番早く動くこと」だった。

　前日に、翌日のスケジュールを完璧に組む。そして早く、確実に動く。その考え方は新人時代のビッグブラザー（年の近い先輩）が教えてくれた。車は高額な買い物だ。だからこそ、決めるまでの時間も楽しんでほしい。どう提案すればお客さまにワクワクしてもらえるか、お役に立てるか、シミュレーションを重ねる。迷うことがあったら、ためらわずに先輩たちの知恵を借りる。その素直さと行動力を周りも全力で支える。「先輩に恵まれている」と彼は笑う。

　最近、その思いが届き始めた。「困った時、誰よりも先に電話をもらえるようになった」。紹介の連絡も増えてきた。彼が目指す「県内一の営業」とは、そうして人から人へと信頼をつないでいく、その先にある姿だ 。