2025.09.06
となりの仕事人
株式会社近江建設 最上拓朗さんの場合

「正直、今でもスーツは少し気恥ずかしいんです」。そう言って、彼ははにかんだ。住宅建築の現場監督として十数年、汗にまみれてきたたたき上げの男。そんな彼が、ある日突然、営業という畑違いの舞台に立つことになった。元々、話術で人を魅了するタイプではない。自分はどうすればこの世界で勝負できるのか。もがき、たどり着いた答えは意外なほどシンプルだった。
武器は、現場で蓄えた「知識」そのものだった。お客さまの暮らしを想像し、本当に必要なものは何かを徹底的に考える。会社の利益より、お客さまの「ありがとう」を優先する。そんな実直な提案が、いつしか彼のスタイルになった。「目先の利益より地元密着」。幸い、会社にもその気風が脈々と流れていた。世代を超えたお付き合いや、お客さまが大切な友人を紹介してくださる瞬間。それこそが、どんな数字よりも心震えるご褒美だ。「あなたを信頼しているよ」。その言葉が、明日への活力になる。
今、彼は次の世代に目を向ける。「若い感性を頭ごなしに否定せず、どうすれば生かせるか。今度は僕ら先輩の腕の見せどころですね」。スーツの奥には、今も現場の魂が息づいている。

株式会社近江建設
執行役員 リフォームカンパニープレジデント
最上拓朗さん
(大江町出身)
執行役員 リフォームカンパニープレジデント
最上拓朗さん
(大江町出身)

■パッシブデザインのモデルハウス
▶2025年6月、2階建ての歯科医院をフルリノベーションした平屋のモデルハウスを米沢市にオープンしました。太陽の光や熱、風といった自然の恵みを上手に取り入れたパッシブデザインで環境に配慮し、ダブル断熱・UA値0.23の高性能をかなえた県内初の体感型モデルハウスです。断熱性能の違いを実際に感じられる断熱ルームをぜひご体験ください。
