やまがた未来プロジェクト2024

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2020.12.02

Next generationvol.5

#05 多田竜也 山形県立中央病院 リハビリテーション室 理学療法士

夢はS A S U K E 完全制覇
山形から挑戦を続ける

巨大なフィールドアスレチックにスポーツ選手やタレント、一般参加者が挑むテレビ番組「SASUKE」。1997年のスタート以来、熱狂的なファンも多く、現在は海外でも人気を集めています。その大舞台に山形からチャレンジを続けているのが、多田竜也さん。中学生の時に初出場し、昨年末の大会ではついにファイナリストに名を刻みました。働きながら夢に向かって走り続ける、その原動力について伺いました。

 ―SASUKEを志したきっかけは?

 7歳の時に偶然テレビで見て、出場している選手がかっこよくて引き込まれました。特に、芸能人でもスポーツ選手でもない、ガソリンスタンド店員といった一般人が、壮大なスケールで戦っている姿に感動したことを覚えています。その後は、公園や学校でSASUKEのまね事をして遊んでいました。 参加可能な14歳になるとすぐに、友人や家族に協力してもらいながら応募動画を制作し、エントリー。選手に選ばれ、念願の舞台に立つことができました。初挑戦は、第1ステージのゴール直前でタイムアップ。「最年少での第1ステージクリアに最も近い」と期待され、翌年も出場できましたが、壁は高かったです。その後も、毎年応募し続けていましたが、書類審査も通過せず出場できない年が続きました。

かっこよい姿
奥さんに見せたくて

 ―3回目の出場は?

 2017年の秋、25歳の時に10年ぶりに出場しました。でも緊張して第1ステージで惨敗。10年間練習を続けていましたので結果にはぼうぜんとしましたね。18年春大会も出場しましたが結果は振るわず。でも、この大会の中でプロポーズし、新婚で挑んだ年末の大会では第3ステージまで、そして19年の大会ではファイナルステージまで進むことができました。

 SASUKEの先輩方から「努力は必ず報われるものではないが、報われるのは努力した人だけ」と教わってきました。努力しても結果が伴わないこともありますが、この言葉を常に意識しています。今も仕事帰りに、短時間でも公園などに立ち寄りトレーニングをしています。意識しているのは「意味のない時間を過ごさない」こと。夢に挑むための基盤は家庭であり仕事です。それらは全て自分にとって大切で、両立させるために時間は限られていますから。

難病と闘う
患者さんの力に

 ―普段の仕事は?

 理学療法士として、山形県立中央病院で働いています。主に白血病や悪性リンパ腫など、血液のがんの患者さんを担当しています。化学療法や骨髄移植の後は免疫力が低下し、クリーンルームでの隔離生活が長くなることが多いため、運動機能が低下しないようにリハビリを進めています。血液のがんは完治が難しいことも多く、闘病生活は決して楽ではありません。でもその中で自分らしく生きようとする患者さんがたくさんいます。少しでも助けになりたいですね。

 また、SASUKEに出場していることで、患者さんが声を掛けてくれたり、小学生が寄せ書きを持って会いにきてくれたりします。自分の頑張りが誰かの励みになるのはとてもうれしいです。同時にこうして頑張れるのも、家族の協力や職場の理解があってこそなので、本当に感謝しています。

大切にしてほしい
一つ一つの出会い

 ―今後の目標は? 

 ごはんがおいしく、人も温かい山形が小さい頃から大好きです。人との距離が近く、顔が見えやすいのも魅力だと思います。そんな地元に、これからも貢献していきたいと思っています。理学療法士としては、さらに専門性を高め、患者さんの力になっていきたいです。血液のがん患者さんに対する理学療法はこれから発展していく分野なので、勉強会などに積極的に参加し、知識と経験を積み重ねていきたいです。SASUKEについては、体が動く限り、自分の気持ちが続く限り、挑戦していきたいです。夢はもちろん完全制覇。そして日本代表として、団体戦でメダルを取ることです。

 ―山形の後輩にメッセージを。

 生きているとさまざまな「出会い」やきっかけがあります。私の場合はその一つが7歳の時にテレビで見たSASUKEで、今までもこれからも、自分を動かす原動力になっています。そうした出会いはきっと、日常にたくさんあるはず。一つ一つを大切にしていくことで未来が見えてくると思います。

Text:松田 陽 Photo:菊地 翼

SASUKEの「そり立つ壁」などをイメージして造られたトレーニング施設で、出場を想定し練習に励む/色紙を持って会いに来てくれた子どもたちと。応援がさらなる力に。

多田竜也 TADA TATSUYA
山形県立中央病院 リハビリテーション室
理学療法士

1992年山辺町生まれ。中学生の時から陸上競技部に所属し、中学・高校時代共に400㍍リレーで全国大会に出場した。山形南高校を卒業後、医療系専門学校に進学。2015年から山形県立中央病院に勤務。18年に結婚し、今年6月、男児が誕生した。「SASUKE」(TBS系列)には14歳から欠かさずエントリーし過去6回出場。第37回大会(19年12月31日放送)ファイナリスト。今年12月29日に放送される「SASUKE2020~NINJA WARRIOR~」にもNo.95で出場決定!

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