2020.12.02
測量士 安全で住みよい街をつくるため 全ての工事は「測量」から始まる
今回紹介するのは「測量士」さんのお仕事。
道路や橋、トンネルなどのインフラ整備に欠かせないお仕事で、災害が起きた際は復旧のためいち早く現場に入ります。
若手の測量士さんに仕事の内容を教えていただき、団体の取り組みなどについてもお聞きしました。
田村測量設計事務所
測量調査部測量課技師・UAV担当
樋口隼也さん
1996年山形市生まれ。山形城北高校を卒業後、仙台市内の専門学校で1年間、測量について学んだ後、山形市内の田村測量設計事務所に入所。測量士補からスタートし、昨年から測量士に。UAV(ドローン)による測量も担当している。妻、長女と山形市内で3人暮らし。
家を建てているのを見るのが好きで、小さい頃は大工さんに憧れていました。それで建築・土木に興味を持ち、進路を調べているうちに、建設の一番最初にあるのが測量だと知り、自分もその先頭に立ちたいと思いました。
外業と内業があり、外業では、砂防ダムの現場や道路が計画されている現場に行って、その土地について専門の機械で測量していきます。主に3人一組で作業します。ドローンを使って測量することも増えています。内業では、測量結果を基に、パソコンを使って図面を作成し、データ化します。そしてそのデータに基づき社内の他の部署で、道路などの設計を行っています。
私たちの仕事はインフラ整備の「一歩目」で、測量した土地に何かができるのは何年も後のことになりますが、やはり新しい建造物ができた時、地元に貢献できたなあと思います。同時にその「一歩目」を間違ってしまうと大変なことになるので、責任が大きい仕事だと感じています。入ったばかりの頃は分からないことだらけで、覚えることも多いですが、続けているうちに一人でできることが増え、自身の成長を感じることができます。
経験を重ねて、できることを増やし、先輩たちのようにテキパキ効率よく仕事ができる測量士になりたいです。ドローンなど新しい技術にもどんどん挑戦していきたいです。
プライベートでは…
◎小1の時からずっと続けてきたのがサッカー。今年からまた社会人チームに入りプレーを始めました。左サイドバックで走り回れるよう体づくり頑張ります!
◎休みの日は、家族で公園や買い物へ。1歳の娘がかわいくて、おもちゃや洋服などをつい買ってしまいます。マイホームを持つことが夢!
樋口さんの主なお仕事
先輩インタビュー
山形県測量設計業協会
会長 遠藤貞昭さん
(株式会社ケンコン(米沢市)代表取締役)
経験や資格が自分の力に
私たち測量設計業は、道路や橋、ダムといったインフラの整備が行われる際、工事ができるよう前段の準備を整える仕事です。また災害が起きれば、被災地の復旧に向けて、いち早く現場に入るのも私たちです。建物や道路やダムなどを造る建設会社などと違って、私たちの仕事は形としては見えませんが、確実に人の役に立っている仕事です。
技術者として、多くの経験を積むことで担当できる仕事が増え、スキルアップができます。資格がものを言う一面がありますから、やる気と努力でキャリアアップして、安定した生活を送ることができます。またドローンなどを使った次世代の測量技術が開発され、作業の効率化が進み、安全性も高まっています。技術は日々進化しており、新しいものに興味がある方にはうってつけの業界です。若い柔軟な頭でこの世界に新風を巻き起こしてほしいですし、若い人材が活躍できるよう、協会も努力していきたいです。
山形県測量設計業協会の取り組み
高校生のコンテストにドローン部門を新設
道路や橋などさまざまなインフラ整備に関わる計画・調査・測量・設計業務を担う県内の企業で構成する「山形県測量設計業協会」。若い世代の測量設計への関心を高めようと、1992年から「山形県高等学校サーベイコンテスト」を開催しており、この山形発の取り組みが全国に広がりを見せています。今年のコンテストはコロナ禍により中止になりましたが、2年後の第30回の記念大会から「UAV(ドローン)測量の部」の新設を決定。参加校(※)に対しこのほど、社会貢献活動としてドローン計40機を贈呈しました。
(※)米沢工業高校、置賜農業高校、山形工業高校、創学館高校、村山産業高校、新庄神室産業高校、酒田光陵高校、庄内農業高校の8校
◎ 山形県測量設計業協会
山形市あさひ町23-69 TEL 023-632-6292