2024.09.04
どうせ住むならこの街をおもしろく! Make my town more exciting!
仲間を見つけ 成長する 地域で稼ぐ 山形で生きる
Turbine Blue代表新関 燿さん (26)
経営するシェアハウス「OTONO」のリビングにて。
「いろんな人を巻き込んで人の流れをつくりたい。そうすれば山形が面白くなっていく」
山形は本当に「何もない」場所なのか? 地元を卑下することって、自分を卑下することじゃない?― 県内屈指の進学校を卒業し、県内の大学に進学。卒業後は県内で起業する選択をした新関燿さん。源流にあったのは、そんな疑問だった。
サークル活動やアルバイト、留学も経験し充実した大学生活。そこへ新型コロナが到来。就活は全てストップ。「いったん自由になろう」と1年の休学を決めた。地域で活動する社会人や学生にコンタクトをとり、話を聞きまくった。その数、300人超。会社員でも公務員でもない経営者という道、そして「地域で稼ぐ」という目標がクリアになった。
大学卒業後、村山市に移住。バーの開業、シェアハウスの運営、もう1件のシェアハウス開業…と事業を拡大してきた。シェアハウスは農業体験希望者や海外からの観光客の受け皿となり、また特定技能実習生の滞在先となることで、経営的にも安定した。2年目で売り上げは前年の3.9倍に、3年目の今期は1千万円を目指す。バーでは人と人、人と地元の資源をつなぐ〝小さなマッチング〟にも力を入れる。
山形は本当に「何もない」場所なのか? はっきり「否」と断言する。少子高齢化や円安、空き家…地方を取り巻く課題は都合良く見方を変えれば、「若者は希少キャラ」であり、「観光に勝ち筋」あり、「空き家放題」だ。それらをどう生かすか。アイデアで勝負できるブルーオーシャンがここにある。手応えがある。仲間を見つけ成長する、漫画「ワンピース」のような人生を思い描き、実績と信頼を重ねていくつもりだ。
「一人でできるし人と話せる仕事」としてバーの経営を選択。近くのバーに通い、どうやって稼いでいるかヒアリングを重ねたそう
ただ待っていても人は来ない。交流会や将棋イベントなどを企画し人流や出会いをつくる
「地域で稼ぐには外国の力も必要」と新関さん。英語対応ができるのも価値になる
大好きな庄内があって今がある今度は私がみんなを笑顔に!
庄内弁マルチタレント「ナマリーポートマン」こと堀 綾乃さん (39)
時には農家の服装でリポートしたり、時には巫女の服装で歌って踊り、話す言葉は庄内弁…。堀綾乃さんがそれなり〝大人〟になってからタレント活動を始めたきっかけには、人生のさまざまなターニングポイントがあった。「都会での仕事に疲れた時、山形のばあちゃんのご飯うめっけな~とか、星空きれいだったっけな~とか思い出して庄内に戻ってきた。それからも産後うつになった時は家族や友人に支えられた。今度は私が周りの人を笑顔にしたいと思うようになって、やりたいことしていたらこうなりました」
昨年、町内会の夏祭りで何かしてほしいと要望を受け、山形でタレント活動をするミッチーチェンさんのアドバイスで歌って踊れる(訛って体の鈍りを解消する)〝なまさサイズ〟な楽曲をリリース。「歌もダンスも下手だけど、一生懸命やってたら、見た人が喜んでくれた。たくさんの人ど関わることで活動の幅が広がってありがでなやの!!」
作詞作曲ミッチーチェンさんの庄内弁ダンスソング『おナマりなさい』はYouTubeで公開中!
学生の頃はイメージが良くなかったという家業の農業。一度地元を離れたことで今では農家へのリスペクトにあふれている。農業のPRも活動の一つ
自分らしく生きられる場所を、見つけてほしい
「Kukka」刺繍(ししゅう)作家・「おぐに移住者コミュニティつむぐ」代表 舟山康名さん(32)
高校の卒業式の日に東日本大震災が発生した。大学入学後、被災地に寄付を募るプロジェクトに参加。一つ100円のスイーツを仲間と販売し、数十万円の寄付を届けられた。誰かのために行動できた自信は、その後の生き方にちょっとした影響を与えることになる。結婚を機に小国町に移住した舟山康名さん。家族以外に知人がいなかったこともあり、好きだった刺繍に没頭し、作品をSNSで発表すると思わぬ反響が。「そんな時、町役場の方から移住者女子会をやってほしいと声を掛けてもらいました」
移住者ならではの悩みを相談できる場として「つむぐ」の原型がスタート。それからは移住者だけではなく地域の人とつながり、活動することに。交流の機会として「つむぐマルシェ」を開催したことで、参加者がどんどん増えていった。今後はビジネス創出の場として誰でも利用でき、カフェや授乳室もあるサードプレイスを提供したいと模索中だ。〝移住者の孤独〟も糧にコミュニティーの中心になっている舟山さんの下には、日々さまざまな相談事が舞い込んでいる。
2021年から定期開催している「つむぐマルシェ」。イベントの企画は、喜んでもらえるうれしさとプレッシャーの両方がある
イヤリングなどの刺繍作品には主にビンテージ物やリサイクルビーズを使用。なるべく土に返る素材を選んでいる。小国の自然や雪景色などにインスパイアされた作品も
大学時代に知り合った小国町出身の旦那さんと、2人の子どもたち。子育てを通じて、地域に見守られていると実感している
小国町特産品ポータルサイト「おぐにもん」
刺繍作家Kukka
各リンクはこちら→ https://lit.link/funayasu
10分間全力パフォーマンス 人をととのえ、町を盛り上げる!
熱波師「山岳熱風アダチ」こと安達拓海さん(26)
サウナによる町おこしを絶賛推進中の西川町に移住し、県内で数少ない熱波師として活動する安達拓海さん。休日には県外に出張熱波に出向き、町の魅力をがっつりPRしている。
仙台市で育ち、高校の同級生は起業したりラッパーになったり「変なやつが多かった」。大学卒業後、ディーラーに就職し、営業マンとして充実した毎日を送るも、「人生って一回限り」という真実に気付いてしまう。ならば好きなことをしようと、大学の時にはまったサウナで身を立てる決意をする。職を辞し「熱波師になりたいっす」とスーパー銭湯の門をたたいた。熱波師としての腕を磨き、全国大会などで入賞を果たすも、所属先のスーパー銭湯が閉館に。そこで出会ったのが菅野大志西川町長。「熱波師いらないっすか?」と直談判し、地域おこし協力隊員としての着任が決まった。「山岳熱風アダチ」は菅野町長から授けられた熱波師名だ。
今は道の駅にしかわに併設する水沢温泉館で熱波サービスを提供。ゲスト熱波師として呼ばれ出張することも多く、町を宣伝したところ、関西から訪ねてきた人もいた。今後はウィスキングなどサウナの施術プログラムを増やし、ますます西川町をサウナで盛り上げたいと意気込む。「ただ熱波をやればいい、じゃない。自分が熱波文化を西川町から広げるぐらいのメンタリティーで、面白いことに挑戦していきたい」
熱波甲子園でのワンシーン。3位は「自信になった」
2023年にリニューアルした水沢温泉館のサウナ。そこに安達さんの熱波が加わり町外からの来館者が増えている
温泉の泉質の良さ、月山の伏流水を含む水風呂も自慢!
X:@sauna_adachi
Instagram:@sauna_neppa_adachi
若者支援コンシェルジュ事務局
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:@wakamonoshienc
スタートアップステーション・ジョージ山形
山形市城南町1丁目1-1 霞城セントラル 2階
TEL:023-666-6100