やまがた未来プロジェクト2024

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2022.12.15

vol.17特集

○○○のために

大好きなものや、やりたいこと。
思い切って踏み出したら、その一歩は
結果として、地域や誰かの役に立っているのかもしれません。
モチベーションは人それぞれ。
「〇〇〇」を原動力に、さまざまな活動に取り組む学生さんの姿を紹介します。

僕らをつないでくれたラーメン「一杯への愛」さらに広めたい

 会長の佐藤諒多さん(3年)を中心とする7人のコアメンバーが、2020年11月に創設したサークル。入学した当初、コロナ禍で授業はオンライン。同級生がやっと顔を合わせることができた秋、少しぎくしゃくした雰囲気を和ませてくれたのが、ラーメンの話題でした。「こんなにラーメン好きが多いなら、サークルにしてしまおう」。それから県内のラーメンを食べ歩き、SNSなどで発信。立ち上げから1年後には、企業からの依頼でラーメンの開発に携わり、「山形W塩ラーメン」として商品化されるなど、地域と連携しながら活動の幅を広げてきました。


 そして今年9月には、酒田市で開かれた「ラーメンexpo」に出店者として「参戦」。食べ歩きの成果でもある、山形ラーメンの良さを詰め込んだオリジナルラーメンを3日間にわたり提供し、厨房に立つ経験値も積みました。活動を通じ、ラーメン店主と知り合う機会も増え、感じているのは、店主にもお客さんにも共通する「ラーメン愛」。おいしいのはもちろん、人と人をつないでくれる山形のラーメンの魅力をもっと広げていくことに学生の立場で貢献したいと、今日も眼鏡を曇らせラーメンをすすります。

(左から)会長の佐藤諒多さん、副会長の芦野陽亮さん、副会長の上野大地さん、加藤竜聖さん、佐藤大晟さん。東北公益文科大学3年生。年間300杯はラーメンを食べるという佐藤会長を中心に、ラーメン好きなメンバーが集まり(いずれも眼鏡男子)、ラーメンを食べる日々。

ラーメンexpo

酒田青年会議所と市内のラーメン店とタッグを組み、「ラーメンexpo」に参戦。提供する側の苦労や楽しさを学びました

山形W塩ラーメン

企業と共同開発した「山形W塩ラーメン」。地元特産の2種類の塩(酒田の塩とアイアイひらたの塩)を使用。試食を繰り返し、まろやかで味わい深いスープが完成しました

大学祭

大学祭でもラーメンを提供

酒田のクリエーターの方と動画を作ったり、イベントに参加したり、ラーメンを通してたくさんの出会いがありました!大学生もいろんなことができると後輩たちに伝えていきたいです

ラーメン同好会「麺恋の」

Twitter:@koeki_mengoino
Instagram:@koeki_mengoino
ユーチューブチャンネル:「麺恋の」
/ミッチ-・チェンさんとのコラボ動画も!╲

ワクワクを共有し、学生主体で「やりたいこと」を実現

 各市町村単位で青少年のボランティアサークルがある山形県。さらに自治体の枠を超え広域的に集える団体をつくろうと、山形県青年の家(天童市)がコーディネートするボランティアサークルが「nico こえ」です。2021年に発足し、メンバーは大学生や高校生約15人。「nico」はニコニコ笑顔が増えるように、「こえ」は地域や世代の垣根を「越え」たいという願いが込められています。


 活動の柱は①「グリーンモール天童商店街」とのコラボ②ウオーターエイド(きれいな水とトイレを世界に届けるための学習会や募金活動)③小児がん患者を支援するための「レモネードスタンドプロジェクト」―の三つ。いずれもメンバーが「やりたいこと」を出し合って決めました。小児がんを患った経験から、レモネードスタンドをやりたいと飛び込んできた平田寧々さん(東海大山形高校2年)は「他ではできないと言われたが、ここでは賛同を得られうれしかった」と振り返ります。代表として高校生を引っ張ってきた野口翔太さん(山形大学4年)は「ここでは学生主体で作戦を練って、やりたいことを実現できる。自分たちでつくり上げる経験を、高校生たちと共有したいです」と話しました。

商店街とのコラボ

モンテディオ山形と対戦するアウェーチームを応援する将棋駒を手作りし、アウェーサポをおもてなし

レモネードスタンド

イベントに出店しレモネードを販売。
収益を小児がん患者支援に役立てます

クリスマス会

園児を招くクリスマス会のための作戦会議!

ボランティアサークル「nicoこえ」

お問い合わせ 山形県青年の家(天童市小路1-7-8)
☎023-654-4545
Instagram:@nico_koe25

〈前列左から〉佐藤菜央さん(新庄南高校1年)、渡部日陽(わたなべひより)さん(同1年)、〈後列左から〉今田いくみさん(新庄神室産業高校1年)、佐藤朱莉(あかり)さん(新庄南高校2年)

この街が好き、だから楽しい。優しさの波紋を広げたい

 新庄市在住、もしくは通学する高校生で構成するボランティアサークル「しずく」。2008年、7人の高校生が活動を始めました。団体名には「人の心の優しさの潤いを」「優しさの波紋が広がるように」という思いが込められています。現在は33人が在籍し、コロナ禍の中、イベント運営の補助などを主な活動としてきました。


 この日は「kitokitoマルシェ」のサポート。ちょっと肌寒い天候でしたが、テントなどの設営や受付での案内、カフェのお手伝いなどメンバーは大活躍。「やらなきゃ、ではなく、楽しいからやる」という意識でボランティアに取り組んでいるそうで、学校ではできない体験や、普段出会えない人と関われる楽しさがあると口をそろえます。


 「コロナ禍前は学習合宿や、友好都市から訪れる児童の引率といった活動もあったそうです。私たちも、今までやったことない活動を企画し、来年入ってくる子を増やしたいです」と話すのはリーダーの佐藤朱莉さん。新庄市から、学生ボランティアの輪を広げたいと意気込んでいます。

イベントの受付で案内するメンバー。さまざまな世代の人と話すことが、自身の成長にもつながっているそうです。「地域を知ることができたり、コミュニケーション能力がアップしました」「学校での友達との接し方にも生かされています」

自身が小学生のとき「しずく」との交流会で優しくしてもらった思い出が参加のきっかけというメンバーも。「今後は私がそういう子を増やしたいです」

「カフェのお手伝いは、まかないも楽しみの一つです。おいしかったメニューはお客さんにもオススメします」

定例会では、今後実施したいことを話したり、ハーバリウム作りなど簡単なワークショップを行っています

高校生ボランティアサークル「しずく」

お問い合わせ 新庄市教育委員会社会教育課
☎0233-23-5005
中学生を対象とした「しずく Jr」もあります!

(左から)リーダーの尾形駿介さん、山田望未(のぞみ)さん、円谷萌々香(つむらや ももか)さん、佐藤若菜さん。いずれも東北芸術工科大学企画構想学科3年生

県内の学生に山形への関心を深めてほしい

 「ほおばるやまがた」は企画構想学科の3年生の演習授業で、「食」を通じて山形の地域課題と向き合うというプロジェクトのこと。今年は「見っける」をテーマに約半年前から準備を続け、10月30日にオンライン配信によるイベントを実施しました。県内の高校生がコロナ禍でも楽しみながら山形の魅力を感じてもらえるイベントにするためにアイデアを出し合った3年生。農家をはじめ、食品製造や販売に関わる企業の協力の下、「食」「しごと」「ひと」について企画しました。


 「イベント当日、学生レシピコンテストの参加者が喜んでくれたり、県外からもプレゼントの応募があるなど、ライブ配信のコメントを見て、より多くの高校生たちが楽しんでくれたと実感しました」と話すのはリーダーの尾形さん。このイベントを通じて、学生でも社会へ発信、貢献ができることを「見っけた」という皆さん。「郷土愛」のためにワクワクする姿に、今後の活躍にも期待が膨らみます。

(しゅ)に交われば・・・

山形の酒造場、飲食店、地域おこし協力隊など、山形で活躍する方々によるトークショー。ノンアルコールのドリンク「モクテル」作りや、高校生向けにお酒の啓発を配信しました

2 たまこんミュージアム

学生と生産者の方がトークやクイズを通して、地域の「食」だけでなく食べ物に関する「職」についての理解を深める配信企画

3 学生レシピコンテスト

農家から頂いた小松菜など「規格外」の食材を使い、「お弁当に入れたい一品」をテーマに学生がレシピ作りを競いました。おいしそうなアイデアレシピがたくさん寄せられました!

オンラインフェスティバルのアーカイブ配信はこちら

「YYボランティア」という言葉を知っていますか?学校の枠を超えた青少年のボランティアサークルのことで(「Yamagata Young ボランティア」)、市町村の職員や地域の人々の支援の下、中高生など学生が自主的に運営している点が特徴です。1976(昭和51)年ごろに県内で始まり、全市町村へと広がっていきました。45年以上の歴史を持つこれらボランティアの動きは、山形で始まった「山形方式」として知られており、全国的にも珍しい取り組みなのだそうですよ。近年は県内で48の団体が活動しており、約800人が会員として登録しています(2021年12月現在)。

天童市にある「山形県青年の家」では、YYボランティアの中心センターとしてさまざまな事業を行っています。ボランティアに取り組む学生の交流会や、リーダー研修などのイベントのほか、各地のボランティア情報が集約されているので、ぜひ情報をチェックしてみてね。

インスタグラム、ツイッター@seinen_yamagata

ボランティアに興味があったらぜひホームページをチェック!

╲ここで合宿もできるよ!/

山形県教育委員会が県内の高校3年生を対象に行った「高校生のボランティア活動実態調査」(2021年度)によると…

高校在学中にボランティア活動を行った生徒は 74.2%!
(学校活動外24.4%、学校活動内67.9%)
取り組んでいるボランティア活動は 1位「環境整備」(ごみ拾いや清掃、除雪など)46.1%
2位「文化振興」(伝統芸能、地域の行事の手伝いなど)19.1%
関心があるボランティア活動は 1位「環境整備」、2位「文化振興」、
3位「子育て支援」(幼児保育施設でのサポート、学習支援など)
読者アンケートより

こういう活動 やってます やってみたい!

障がいがあるお子さんのサポートをしてみたい。クリスマス会の企画・運営とか(東根市、高校生)/雪かきボランティアを毎年行っています(山形市、高校生)/ひとり親世帯の子どもたちへの学習支援ボランティア活動をしています(東根市、短大・大学・大学院生)/バラ公園の案内ボランティア(天童市、高校生)/今はコロナ禍で行っていませんが、以前は老人施設に入所している方のハンドマッサージや施設の清掃を行っていました。将来看護師を目指し、寄り添う看護を行いたいので、この経験で得たことを大切にしていきたいです(天童市、専攻生)/災害が起きた地域や紛争地帯に行って復興に携わってみたい(長井市、高校生)

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