やまがた未来プロジェクト2024

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2020.07.15

vol.2特集

ぼくらの「リスタート」

新型コロナウイルスの影響による休校や大会の中止。
かつてない事態を経験した県内の高校生は、いま、新たな目標に向かって走りだしています。

鶴岡東高等学校 野球部

最高の仲間と、
一試合一試合を大切に戦う

3年生 主将 鈴木喬くん(左)と伊藤颯くん(右)

・喬とは小学生の時から一緒に野球をやってきました。県外出身もいる3年生35人はみんな仲が良く、最高の仲間です!(伊藤くん)

・主将として、つらい時期、みんなにどう声を掛けたらいいか悩みました。この代でまた戦えるのがうれしく、一試合一試合を大切にしたいです(鈴木くん)

 出場を決めていた春の選抜大会に続き、夏の全国高校野球選手権大会も中止に。ずっと目標にしてきた夢が断たれ、気持ちをどう保てばいいのか苦しんだ。しかしその後、選抜出場校が甲子園で1試合行う「センバツ交流大会」(8月10-17日)、山形県の独自大会「山形県高校野球大会2020」の開催が決定。甲子園と、県の頂点という目標ができ、田園の中のグラウンドに明るい掛け声が響く。


酒田南高等学校 女子サッカー部

小さな大会でも、
出られるなら全勝目指す

3年生 部長 村川彩夏さん(中央)、2年生 安達果音さん(右)、1年生 後藤涼華さん(左)

・小さな大会でも出場できるなら、一つ一つを大切に全部勝ちたいです(村川さん)

・ロングボールを練習してレギュラーを勝ち取りたいです(安達さん)

・ずっと休校が続き、体力が低下してしまった。まずは練習に慣れて体幹を強くし、フィジカル面でも負けないようにしたいです(後藤さん)

 2011年に創部。常に全員で走り、常に全員で声を掛け、常に勝ち続けるチームを目指す。今年も全国大会出場を目指し練習していたが、大会は中止となり練習も思うようにできず、新入生とのコミュニケーションもこれから。休校中に低下した体力を取り戻し、メンタル面の強化を図る。取材の日は休校後初となる練習試合に汗を流した。


酒田光陵高等学校 ITサイエンス部eスポーツ班

チームみんなで力を合わせ
目指すは決勝進出!

3年生 髙野裕太郎くん(左)、2年生 塚形歩夢くん(右)

・「STAGE:0」東京会場の決勝がオンライン開催になってしまい、実際に会場の雰囲気を体験したかっただけに残念。「フォートナイト部門」で上位に入るのが目標です(塚形くん)

・練習量が減り不安もありました。大会出場の機会が減っても、出場できるだけ幸せ。みんなで協力して良い成績を残したいです(髙野くん)

 県内で初めて、eスポーツに部活として取り組んでいる。去年はeスポーツの〝甲子園〟とされる「STAGE:0」などに出場した。3年生の髙野くん、アジア3位の実績のある塚形くんは「去年悔しい思いをしたので今年は予選を突破して決勝に行きたい」。他校とオンラインで練習試合をしたり、プロのeスポーツ選手から技術指導を受け、チームワークや技術を磨いている。


谷地高等学校 カヌー部

感謝を込めて
自己ベストを出したい

3年生 部長 古澤 諒くん(右)と高橋千夏さん(左)

・1、2年で努力してきたことを今年発揮したいと思ってきたので、大会中止はショックでした。気持ちを切り替え、最後の大会に向け頑張ります(古澤くん)

・カヌーがしたくて谷地高校に進学しました。応援してくれている先生やみんなへ、感謝を込めて自己ベストを出したいです(高橋さん)

 全国的な強豪校として知られ、部員の目標はもちろん全国大会の頂点や上位入賞。しかし主要な大会は相次いで中止に。練習が再開しても、感染予防のためシングルのみOK、2人乗り、4人乗りはNGという〝普段通り〟とはほど遠い状況だった。県高校総体の代替大会が集大成のレースに。


天童高等学校 なぎなた部

先輩のように自分たちも、
後輩にできることを

3年生 部長 佐藤円香さん(右)と武田月和さん(左)

・稽古に全力で取り組み、休校中に落ちた体力や技術を取り戻したい。残りの期間でもっと強くなります(佐藤さん)

・後輩たちに伝えるべきことを伝えたいです。技術に加え人間性や礼儀なども。私自身が先輩のおかげでたくさん成長できたので(武田さん)

 1年で全国3位、2年で全国5位を経験。先輩が残した偉大な成績に重圧を感じながら、集大成の今年、インターハイ上位入賞を目指してきた。休校中も自主練し、佐藤さんはおじいちゃんが作ってくれた打突台を相手に打ち込んだ。目標が消えた絶望の後、残ったのは、普通に部活ができることへの感謝。今は県大会代替大会(7月下旬)での有終を目指している。


新庄神室産業高等学校 工業技術部ロボット班

大事なのはチームワーク
僕らのロボットで戦いたい

3年生 部長 小野秀和くん(中)、田宮海斗くん(右)、菅原海斗くん(左)

・高校最後の大会なので後悔しないように日々の部活動を頑張りたい(菅原くん)

・県の大会では絶対優勝したい。チームワークが一番大事なので、仲間とコミュニケーションを取るようにしています(小野くん)

・課題研究では農業で活用できるロボット研究をしています。大会では今までの成果を出し切りたいです(田宮くん)

 毎年秋に開かれる全国高校ロボット競技大会出場の常連校。過去7年間で6度の全国大会出場を果たす。今年も県大会の「メカトロアイディアコンテスト」に向け、ロボットからコースづくりまで製作を行う予定だった。全国大会は中止となったが、今はやまがた高校生ロボットコンテスト(山形新聞社主催)など県内での大会に向け、ものづくりへの情熱を燃やしている。


山形西高等学校 放送部

声を遠くに響かせて、
私たちの思いも届け!

3年生 鈴木みのりさん(右)と西田彩乃さん(左)

・部活では地域の行事で司会をしたり、伝える大切さを学びました。中学の挫折があったから今がある、そんな思いを弁論で伝えたいです(西田さん)

・部活で山形のことを取材して、古里がもっと好きになりました。大会がなくなってしまった友達の分も、結果を残したいです(鈴木さん)

 鈴木さんは、「Nコン」と呼ばれる全国放送コンクールを目標にしてきたが、今年は中止に。しかし新たに開催が決まった全国高校校内発表大会が新たな目標になった。西田さんは、弁論部門で出場が決まっていた全国高校総合文化祭(高知県)がオンライン開催に。「聞いている人に思いが届く弁論」を実現したいと励む。


山形学院高等学校 調理実習

考案したレシピで
みんなを笑顔に

3年生 土田海羽さん(右)と林 まりあさん(左)

・目標にしている外部の大会へ向けて、さらに技術を高めるため努力をしたいです。また、自分たちが学んできたことを後輩に伝えていきたいです(林さん)

・去年、優勝することができた「佐利杯コンテスト」。今年は魚料理なので、経験を生かし、自分にしかできないレシピを考案して臨みたいです(土田さん)

 味・見た目・栄養バランスを自分たちで研究し考案したレシピを校内で競う「佐利杯コンテスト」は、校内の大会ながら本審査までの道のりが険しく、書類審査突破が難関とされているほど。休校中は、実習の機会が制限されたが、自宅でできる練習を重ね、入賞を目指している。


山形中央高等学校 吹奏楽部

保護者への感謝の気持ち
定演で伝えたい

3年生 部長 渡邊 萌さん(左)、吉野綾乃さん(中)、三澤 蓮くん(右)

・定演ではポップな曲も演奏するので保護者の方にも楽しんでもらえるように頑張りたいです(渡邊さん)

・吹奏楽部で演奏するのはこれが人生最後かもしれません。引退時期が早まっても精いっぱい頑張ろうと思います(吉野さん)

・定演ではこれまで支えてくれた保護者への感謝の気持ちを込めて演奏したいです(三澤くん)

 全日本吹奏楽コンクール東北大会で18回の金賞を誇る。今年は12月のアンサンブルコンテスト以外、全ての大会が中止となり、喪失感でいっぱいに。それでも休校中はそれぞれが自宅で基礎練習に励んだという。8月に山形市で定期演奏会を開催する。3年生はそこが集大成のステージとなる。


山形東高等学校 探求部

映画を通して
山形の素晴らしさを探求

2年生 リーダー 若林哲平くん(右)と土田一花さん(左)

・ドキュメンタリー映画制作を通して山形の良さを学びたいです。私たちだけにとどまらず、他校やみんながふるさとの良さに気付くきっかけになることが目標です(土田さん)

・釡山の高校生と交流するため韓国に行く予定が中止に。国際交流が目標で探究活動をしているので諦めずリベンジしたいです。創造都市活動をもっと広めて情報発信していきたいです(若林くん)

 山形市ユネスコ創造都市ネットワーク映画部門に魅力を感じて集まった探究部地域国際班。韓国・釡山の高校生とお互いにつくった映画を見せ合うなど、映画を通して海外とも交流している。探究学習では国内のユネスコ創造都市の高校生とつながろうと、ビデオ通話での交流をコミュニティーファンドを申請し提案する予定。また今年は地元の伝統継承者を題材にドキュメンタリー映画をつくる。


新庄東高等学校 駅前で交流カフェを運営

やりたいことを実現できる環境を
自分たちがつくる

3年生 白根澤 滝くん(左)と門脇美里さん(右)

・「Fiesta」がいよいよスタートしました。まずは安定した収入を確保し、この活動を通して経営や会社の仕組みを学んでいきたいです(白根澤くん)

・準備と時間の大切さを学びました。みんなで力を合わせてより良い環境をつくります。この活動のやりがい、魅力を後輩へつないでいきたいです(門脇さん)

 地元のまちづくり会社の執行役員として、新庄市中心部の複合多目的ビル「こらっせ新庄」1階に7月4日にオープンした交流カフェ「Fiesta」の運営に関わり、中心市街地の活性化を目指す。「気軽に立ち寄れる場として、自分のやりたいことにどんどん活用してほしい」(白根澤くん)。詳しくはインスタグラム(@tcm_fⅰesta)で。


米沢商業高等学校 商業研究部商業研究班

今できることを懸命に
地域に貢献したい!

3年生 西長考一郎くん(左)、2年生 井上 朝くん(中)、1年生 尾形翔夢くん(右)

・1年生は商品アイデアコンテスト「スマイルフードプロジェクト2020」に参加予定。出るからには優勝したいです(尾形くん)

・商業研究班の活動は研究して実践することが大事。なかなか計画を立てにくいけれど、今できることに取り組んでいきたいです(井上くん)

・台湾での発表に向けて英語を頑張っていただけに残念だけど、努力は無駄ではないとも感じています(西長くん)

 地域貢献をキーワードに、SDGsをテーマに研究している。廃棄されるリンゴを活用した「りんごちゃんドレッシング」は去年の「商業高校フードグランプリ」で優秀賞を受賞し全国のスーパーでも販売された。3年生男子は「山形日和。」の観光プランコンテストで最優秀賞を受賞し、台湾で発表するため練習していたが中止に。米沢市の観光関係者の前で発表することになった。


置賜農業高等学校 アグリサイエンス部畜産班

命の大切さを感じて、
牛たちの成長を見守る

2年生 加藤幸太くん(右)と豊田茉奈さん(左)

・全国大会が中止となり目標を失いました。でも、牛の命を大切に、1頭も病気にさせず、健康的なまま後輩に受け継いでいきたいです(豊田さん)

・今年の大会は中止になったので、次の開催まで牛たちに負担を掛けないよう体調管理を万全にしていきたいです(加藤くん)

 県内で唯一、牛の搾乳実習ができ、乳牛の管理から出荷作業まで一貫して学んでいる。搾った乳は牛乳として出荷するため、実習とはいえ気は抜けない。畜産班はさまざまな畜産関係の大会で上位入賞し、全国大会に出場した経験も。動物に興味を持ち同校を選んだ加藤くんと豊田さんは「休校中、牛のことが心配だった。今は子牛の成長が見え、触れ合うこともできてとてもうれしい。改めて牛のために頑張りたい」と意欲的に活動している。


高校生リアルボイス

キミヘ#01(5月21日発行)では、高校生を対象にLINEでアンケートを行い、休校中に頑張ったことなどを聞きました。そこに寄せられたリアルボイスを紹介します!

Q 休校中に頑張ったこと、うれしかったことは?

  • 家族でパズルやカードゲームをして、久しぶりにゆっくりした時間があった(置賜・高1・女子)
  • 家業手伝い(村山・高3・男子)
  • お手伝いと筋トレ(村山・高2・女子)
  • 遊佐町の若者の地域参画について論文を書きました(庄内・高3・女子)
  • 学校から随時連絡がきていた課題を頑張った!(村山・高3・女子
  • ゲームである程度有名になれたことと実力がついたこと(庄内・高1・男子)
  • 夢がはっきりしたこと。小学校の頃の先生に会いに行ったこと(置賜・高3・女子)
  • スケボーで技を決めたこと(村山・高1・男子)

Q コロナウイルスや休校の影響でできなかったこと、悔しかったことは?

  • 自主学習はできたが、進度が分からず不安だった(村山・男子)
  • 文化祭が延期(泣)(庄内・高3・女子)
  • 全日本吹奏楽コンクールが中止になった(村山・高2・女子)
  • インハイが中止になったことと先輩方と練習する時間が短くなったことが悔しい(村山・高1・女子)
  • インターンシップに行けなかった(村山・男子)
  • 運動会がなくなってしまった。自分たちが輝ける機会が減ったのは悲しい(村山・高2・女子)
  • 体育祭、植木市、花笠(村山・高3・男子)

Q もしかしてうちだけ?! 高校のおもしろ校則教えてください

  • 男子を呼び捨てにしてはいけない
  • 露出度の高い服を、着てはいけない
  • うちわはダメだけど、扇子は使っていい
  • 登下校時はセーターの上にブレザー必須(ブラウス+セーターだけはダメ)
  • スカートの長さは膝下からソフトボール1個分の高さ
  • ツーブロックをしちゃダメ

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